HYOGO NEWMEDIA COUNCIL

あゆみ

昭和59(1983)年8月
設立準備
 昭和58年夏に郵政省のテレトピア構想、通産省のニューメディア・コミュニティ構想など国の高度情報化構想が相次いで提唱され、全国の自治体に大きな反響を呼び、59年11月にはキャプテンの商用サービスが始まるなど、「高度情報化」、「ニューメディア」は社会的なブームとなりつつあった。
 こうしたなか、昭和59年8月30日、兵庫県企画部の呼びかけにより一つの会議が開かれた。現在の協議会の前身となる「兵庫ニューメディア推進連絡会議(仮称)」の設立準備打ち合わせ会である。
参集者は、兵庫県企画部企画参事、商工部産業政策課のほか、中野忠幸(財)社会システム研究所専務理事、武田義孝神戸市調査統計課長、西元正神戸商工会議所企画調査 部長、福田丞志(財)21世紀ひようご創造協会研究調査部長、小西正文(財)兵庫県中小企業振興公社所長、福野輝郎関西ニューメディア研究会神戸支部長など16名である。
 この会議では、いくつかの地域で情報化の取り組みが始まっていたが、地域の抱える課題をニューメディアによって解決するためには、個別の取り組みの連携や共同化が必要であり、産・官・学による全県的な情報化の推進組織を創設する必要があることが議論された。
 その後、9月5日及び12日の2回にわたって設立準備会が開かれ、組織の目的、構成、事業内容について検討が行われ、新しい推進組織の誕生が日程に登場してきた。
昭和59(1984)年11月
「兵庫ニューメディア推進連絡会議」設立
昭和59年11月28日、チサンホテル神戸において、県内の自治体、団体、企業な ど134団体の出席のもと、高度情報社会の到来に対応した県域の情報化推進組織として、「兵庫ニューメディア推進連絡会議」の設立総会が開催された。
 冒頭、25の発起人団体を代表して、貝原俊民兵庫県副知事が挨拶、その後、設立趣旨、運営計画が了承され、会長に石野信一神戸商工会議所会頭、副会長に貝原副知事、宮岡寿雄神戸市助役、米花稔神戸大学名誉教授が選出された。
 設立総会に引き続き、日本電信電話公社企業通信システムサービス本部副本部長の森田時雄氏、「ニューメディア」編集長の天野昭氏の基調講演、五色町鮎原農業協同組合の「農村CATV」などの事例報告が行われた。
翌12月には、電気通信事業法、日本電信電話株式会社法等が制定され、明治以来100年にわたって電電公社の独占事業であった電気通信事業が自由化され、新たな通信事業者の市場への参入が始まった。この年はわが国の情報通信が発展を遂げていく胎動期であり、協議会は情報化の大きな潮流のなかで、その歩みを記していくこととなる。
 ちなみに、この総会で報告された五色町の農村型ケーブルテレビは、協議会設立10周年に当たる平成6年4月に開局した「淡路五色ケーブルテレビ」の前身である。
昭和60・61(1985・1986)年度
試行錯誤のなかから
連絡会議は発足したものの、必ずしも順調に活動を展開してきたものではなかった。60年度は各種情報化のシンポジウムの後援は行ったが、自主的な活動はなく、「開店休業」の状態であった。
 そこで、61年度には、「高度情報化と地域社会」をテーマに、NTT兵庫支社長の阿部正之氏の総会記念講演会を開催したほか、国土庁、通産省、郵政省、農林水産省、建設省、自治省の担当課長補佐を講師に、各省庁の情報化施策をテーマにセミナーを実 施した。また、初めての先進事例調査としてNTT大阪展示センターを視察した。
 61年度総会の会員数は100団体であった。事業費は会員からのセミナー参加費を充てており、財政基盤は脆弱であったため、規約を改正し、年4万円の会費を徴収することとした。この会費制の導入についてはさまざまな意見があったが、中野忠幸代表幹事(社会システム研究所)のもと、幹事会を組織し、安定した運営をめざしての第一歩を踏み出すことができた。
昭和63(1988)年度
連絡会議から協議会へ
63年度の総会で、前年度の共同研究部会の活動が報告された。その一つが「高度情報化研究部会」の成果である「ひょうごHOLONの構築に向けて」という提言である。
 当時、兵庫県では県域の情報化の指針となる「兵庫県高度情報化構想」の策定を進めており、63年3月に中間報告が取りまとめられた時期であった。連絡会議としても、県の歩調とあわせて、情報化への機運が高まり、引き続き、63年度も継続して共同研究に取り組むこととなった。
 こうしたことを踏まえ、総会では産・官・学の力を結集し、より積極的な活動を展開していく趣旨から、「兵庫ニューメディア推進連絡会議」を「兵庫ニューメディア推進協議会」に名称変更することを決定した。
平成元(1989)年度
高度情報化構想の提言
元年度は協議会の活動がより大きく展開する年度となった。前年度の研究部会の集大成として、「兵庫県における高度情報化のあるべき姿を求めてーひょうごHOLONの構築に向けて」という報告書をまとめた。  

(1)共同研究部会  
 こうした共同研究部会は徐々に軌道にのり、元年度は「ひょうごVAN研究部会」 (座長:得津一郎(神戸大学)、分科会リーダー:堀尾正幸(太陽神戸銀行)、山本誠次郎(社会システム研究所)、江口靖夫(兵庫県))を設置し、県域のネットワークとしての「ひょうごVAN」の調査研究を行った。
 また、「ハイビジョン研究部会」(座長:佐藤毅(NHK))では、図書館、医療分野などでのハイビジョンの活用策について調査研究が進められた。

(2)海外視察調査
  9月には、25名の参加者を得て、「先進事例に見る情報都市の創造」をテーマに、初の海外視察調査(団長:中野代表幹事)を実施した。視察先は、ヘルシキンキ、ストックホルム、ロンドン、モンペリエ、パリのヨーロッパ5か国、5都市で、都市づくりと情報通信の果たす役割など大きな成果を得ることができた。

平成2(1990)年度
会員の自主的な共同研究
平成2年度は本格的なケーブルテレビの事業化が開始された年である。9月に県下初のケーブルテレビとなる滝野ケーブルコミュニケーションが、翌10月にはケーブルコミュニケーション芦屋が開局し、各地域のケーブルテレビの先駆けとなった。
 一方、県でも、これまでの協議会での共同研究の蓄積を踏まえて、情報通信による地域の活性化をめざした「ひょうご情報通信回廊構想」の策定や兵庫衛星通信ネットワークの整備に着手した。
 こうしたことを背景に、2年度の共同研究として「戦略的地域情報化策研究部会」(座長:小西康生(神戸大学)、山本誠次郎(社会システム研究所)、堀尾正幸(太陽神戸銀行)、中村利男(加古川市)、盛田政敏(ケーシーエス)、田中美生(神戸学院大学)、幸長敏尚(NTT))を設置し、東播磨情報公園都市につながる「情報関連産業集積都市」のあり方や地域活性化のための情報化戦略について検討した。
「ケーブルテレビ研究部会」(座長:光森史孝(神戸新聞)、副座長:畠山乃生彦(ケーブルコミュニケーション芦屋))では、ケーブルテレビの事業化の機運を踏まえて、 都市部における事業化方策や魅力あるサービスの内容について検討した。
 また、「ハイビジョン研究部会」(座長:佐藤毅(NHK))、「ISDN活用研究部会」 (座長:藤田正夫(三菱重工業))、「中小企業ソフトウェア研究部会」(座長:内田和 夫(兵庫工業会))においても、それぞれのテーマに即した研究が行われた。
 なお、県の組織変更に伴い、事務局が情報管理課から企画参事(情報通信担当)に移管した。
平成3(1991)年度
情報通信による地域づくり
3年度においても、5つの多彩なテーマによる共同研究部会を設置し、それぞれ活発な活動が行われた。また、県下各地域へ情報化の輪を広げていくため、但馬地域で「但馬ニューメディアまつり」を行うなど、情報化の普及啓発事業に本格的に取り組んだ。
 こうした協議会の活動の広がりに伴い、財政基盤の一層の充実を図る必要があるため、3年度の総会では会費規程を改正し、新たに口制を導入し、普通会員の会費は年間一口5万円、最大5口まで会費を徴収することとした。3年度の収入決算額は1168万円、支出は1122万円と1000万円台の規模に拡大した。

(1)多彩な共同研究の展開
 地域の情報化のニーズを踏まえた情報化策をテーマとした「地域情報化ニーズ研究部会」(座長:小西康生(神戸大学))では、但馬・丹波・淡路地域の情報化策を考える縦軸分科会(山本誠次郎(社会システム研究所)、木路健(松下電器)、朝田喜一郎(大日本印刷)、吉野恭一(NTT))及び阪神・東播磨・西播磨地域の情報化策を考える横軸分科会(井内善臣(神戸商科大学)、石井治(神戸ポートキャプテン)、石原淳(加古川市)、北井信一郎(三木市)、堀尾正幸(太陽神戸銀行))を設置し、各地域でヒアリングを行うなど地域の実情に即した調査研究活動を展開した。
 また、「瀬戸内サーフネット研究部会」(座長:光森史孝(神戸新聞))では、前年度のケーブルテレビ研究部会に引き続き、瀬戸内臨海部の都市部におけるケーブルテレビの普及と広域連携について検討した。
 「商店街情報化策研究部会」(座長:吉田寛(流通科学大学)、副座長:日向実(NTTデータ通信))では、明石市「魚の棚商店街」を対象に商店街の活性化をテーマとした検討を行った。
 さらに、「ハイビジョン研究部会」(座長:隈川聖五(NHK))ではハイビジョンの導入・活用について、「知識・技術の習得研究部会」では、会員の情報通信についての理解を深める研究活動を展開した。

(2)第2回海外視察調査
 8月には、「10年先を行くアメリカの情報化を見る」というテーマで16名の参加者により、第2回海外視察団(団長:中野代表幹事)を実施した。視察先は、ニューヨーク、ボストン、アトランタ、オーランド、ダラス、サンアントニオ、エドモントン、バンフなどアメリカ、カナダの各都市であり、情報化の最新動向をつぶさに調査し、有意義な成果を得た。

(3)但馬ニューメディアまつり
 地域に根ざした情報化の推進をめざして、10月に豊岡市で「但馬理想都と情報化戦略」をテーマに「但馬ニューメディアまつり」を開催した。
 この事業は、協議会としては初の地域情報化イベントであり、ニューメディア社の天野昭氏、長野県川上村の藤原忠彦村長、出雲市総合福祉カードセンター所長の布野勝己氏らによるシンポジウムのほか、会員企業の協力を得てニューメディア展示会をあわせて実施し、多数の参加者を得ることができた。
平成4(1992)年度
ひょうごからの発信
4年度の総会で、石野信一会長に代わって、牧冬彦神戸商工会議所会頭が第2代会長に就任した。
 この年度から特定の分野における専門的な研究活動を継続して進めるため、これまでの単年度での共同研究部会から、テーマや活動期間は部会に参加する会員の自主性に委ねるという専門部会を設置することとした。

(1)専門部会の発足
 初年度は、「知識・技術の習得研究部会」(部会長:田中美生(神戸学院大学))、「ハイビジョン専門部会」(部会長:隈川聖五(NHK))、「ケーブルテレビ専門部会」(部会長:光森史孝(神戸新聞))、「地域情報化策専門部会」(部会長:吉田寛(流通科学大学))の4つの専門部会を設置した。

(2) 全国マルチメディア祭'92inひょうご
 11月には、郵政省、兵庫県、神戸市、姫路市、伊丹市、滝野町、(財)電気通信高度化協会とともに、全国的な規模での地域情報化イベント「全国マルチメディア祭'92inひょうご」を開催した。
 このイベントでは、「コミュニケーション・ひょうごからの発信」をテーマに、地域情報化サミット、7つの地域情報化フォーラム及び地域情報化フェアを実施し、文字どおり、全国の各地域に情報を発信し、交流を深めることができた。前年度の「但馬ニューメディアまつり」のノウハウが生かせたこと、企画段階から多数の会員の協力があったことが大きな成果を生み出すことにつながった。
平成5(1993)年度
広域的な情報化の展開をめざして
5年度の総会に引き続き、金子郁容一橋大学教授から「ボランティアのためのメディア」についての記念講演があった。「ボランティア」とは社会的な弱者を助ける一方的な奉仕ではなく、相互に「与えられる」という関係であり、それを支えるのがネットワークであるという趣旨であったが、このことは後の震災で明らかになる。
 なお、前年度から始まった専門部会は、引き続き精力的な活動が展開され、5年度にその成果がまとめられた。

(1)ケーブルテレビ専門部会    
 ケーブルテレビ専門部会では、各地域で相次いで事業化が進展していることを背景に、具体的なテーマのもとにワーキングを設置した。
 地域独自の放送サービスのノウハウを交換する「コミュニティチャンネル」(吉本佳功(ケーブルビジョン西宮)、湯本節(日本電気))、ケーブルテレビの相互の連携を考える「連携化」(永野彰一(姫路ケーブルテレビ)、織田康義(明石ケーブルテレビ))、都市難視聴の解消のための費用負担のあり方を考える「電障施設」(塩山康雄(松下電器)、三宅俊昭(明石商工会議所)、下山修平(東芝)、藤井吉宣(住友電工)、古庄恵浩(ケーブルコミュニケーション芦屋)、吉川宗一郎(ケーブルテレビ神戸))の3つのワーキンググループで、それぞれ詳細な研究報告書を取りまとめた。なお、連携化ワーキングの成果として、ケーブルテレビの認知度を高める共同PRポスターを作成し、各局に提供した。
 さらにこれらの成果は、県が広域的な視点からケーブルテレビの振興方策を明らかにした「ひょうごケーブルテレビ振興計画」の策定にも反映された。

(2)地域情報化策専門部会
 地域情報化策専門部会では、市町を超える広域的な視点から公共施設の利用案内・予約システムや図書館のネットワークを考える「広域情報ネットワーク分科会」(井内善臣(神戸商科大学)、石井治(三ツ星ベルト)、大内基嘉(NTT)、住吉正光(日本電気)、村田勝(加古川市))や地域の団体等と共同して情報化の推進方策を考える「Nascent Project分科会」(小西康生(神戸大学)、伊藤駒之(神戸大学)、吉野恭一(NTT)、堀尾正幸(さくら銀行))、情報化の考え方・進め方の手引きの企画立案を行う「地域情報化ハンドブック分科会」(山本誠次郎(社会システム研究所))の3つの分科会を設置し、それぞれ月1回のペースで活発な研究活動を展開した。

(3)あわじニューメディアまつり  
 3年度の「但馬ニューメディアまつり」、前年度の「全国マルチメディア祭」に引き続き、地域情報化イベントとして、平成6年2月に洲本市で「あわじニューメディアまつり」を開催した。
 メディア・ジャーナリストの金沢寛太郎氏を招き、「まちづくりと情報化」についての基調講演があった後、「情報がつくるふるさと圏」をテーマに、長野県諏訪広域圏の情報化をリードした広域総合研究所所長の北原弘一氏、全国のケーブルテレビの草分けである北海道池田町企画振興課長の森田勝氏、淡路広域行政事務組合の中川啓一管理者(洲本市長)、小西康生神戸大学教授らによるパネルディスカッションを展開した。
平成6(1994)年度
新たな出発点/設立10周年と阪神・淡路大震災
この年度は、これまでの情報化の歩みを検証し、新たな情報化の展開をめざしていく契機となった二つの重要な出来事があった年である。12月に行った設立10周年記念事業とその1か月後に起きた阪神・淡路大震災である。

(1)専門部会の再編
 4年度から設置した専門部会のうち、「知識・技術の習得専門部会」は、これまで県内外の先進事例の調査を行ってきたが、今年度から部会方式ではなく、協議会全体の取り組みとしてセミナーの開催に移行することとした。また、「ハイビジョン専門部会」は「映像メディア専門部会」(部会長:井内善臣(神戸商科大学))に改組し、ハイビジョンだけでなく、広く映像メディア全般にわたるソフトや技術動向について調査研究を行うこととした。
 「地域情報化策専門部会」では、淡路広域圏(吉野恭一(NTT))、兵庫県商工会連合会(朝田喜一郎(大日本印刷))、但馬長寿の郷(山本誠次郎(社会システム研究所))の3つの地域・団体と共同した調査研究を行った。このうち、但馬長寿の郷のワーキングでは、加古川地域で先進的に進めている地域医療情報システムの取り組みに学びながら研究を行った。また、淡路広域圏との共同研究については、郵政省との調査研究とも連携して行い、洲本市市長公室の石原健次郎氏ら地元の各市町との共同研究を行った。
 「ケーブルテレビ専門部会」では引き続きケーブルテレビの普及促進について調査研究を行った。

(2)ケーブルテレビの全県的普及
 6月に、但馬全域で展開された「但馬・理想の都の祭典」の一環として、関宮町で「ケーブルテレビフォーラムinせきのみや」を県、但馬理想都整備促進委員会など関係団体と共同して開催した。
 このイベントでは、「コミュニティメディアとしてのケーブルテレビ」をテーマに清原慶子日本ルーテル神学大学教授による基調講演や町営ケーブルテレビに取り組んでいる和田幹夫関宮町長、斉藤貢五色町長、藤崎正弘滝野町長のほか、地域住民に開放したパブリック・アクセス・チャンネルを運営する米子市の中海テレビ放送の高橋孝之常務らによるパネルディスカッションを行った。
 このフォーラムには約300名の参加者があり、但馬地域をはじめケーブルテレビの全県的な普及をめざして、さまざまな視点からケーブルテレビによるまちづくりについて活発な意見交換を行った。

(3)設立10周年記念事業
 こうした活動を積み重ねてきた協議会は、設立10周年を迎えることから、これを契機に今後一層の活動を進めるため、12月12日にホテルシェレナで10周年記念事業を開催した。
 牧会長、来賓の貝原知事の挨拶の後、会長から今日までの協議会の活動を支え、発展に尽力された吉田流通科学大学教授、中野代表幹事に感謝状が、また地域の情報化に先進的に取り組んできた加古川地域保健医療情報センター、西宮市情報センター、滝野ケーブルコミュニケションにそれぞれ表彰状が贈呈された。その後、編集工学研究所所長の松岡正剛氏、京都大学教授の北村貞太郎氏の記念講演が行われた。
 この記念事業には約200名の参加があり、これまで培ってきた会員相互のネットワークをもとに、さらに一層産・官・学の連携を深め、県域の情報化を進めていく契機となった。
 また、記念事業の一環として、前年度の地域情報化ハンドブック分科会での活動成果をもとに、具体的な事例を紹介しながら、地域情報化の考え方や進め方を示した「地域情報化ハンドブック」を発行した。

(4)阪神・淡路大震災の教訓
 年が明け、新たな活動を始めようとした矢先の平成7年1月17日、突然震度7の烈震が兵庫県南部地域を襲った。6千余名の命を奪い、未曾有の災害をもたらした阪神・淡路大震災である。
 県民、企業、行政では懸命な復旧が進められ、街の至るところにガレキが残る2月28日、県民会館の一室に小西、光森、井内の各専門部会長のほか、畠山乃生彦(こうべケーブルテレビ)、堀尾正幸(さくら総合研究所)、山本誠次郎(社会システム研究所)、幸長敏尚(NTT)の各氏が集まった。     
 被災地の情報化推進団体である協議会としても、復旧・復興をめざして積極的な活動を行おうという使命感のもと、情報通信の分野での被害の把握や課題を検証し、震災からの教訓を踏まえて今後の情報通信のあり方について提言を行っていくことが議論された。
 このため、各専門部会の活動はいったん休止し、3部会が合同して「災害時における情報通信のあり方」に関する調査研究を進めることとした。3月7日に第1回合同専門部会(座長:小西康生、副座長:井内善臣、光森史孝)が開催され、精力的な調査研究がスタートした。
平成7(1995)年度
「災害時における情報通信のあり方に関する調査研究」
合同部会での調査研究は、ほぼ月2回のペースで続けられ、会員の総力をあげた活動を展開した。その成果は、平成7年5月、「災害時における情報通信のあり方に関する調査研究」として取りまとめ、「情報団の創設」、「安否情報システムの確立」、「行政とマスメディア等との連携」、「地域防災拠点の情報力の強化」、「マルチメディアによる震災情報の記録」の5つの緊急提言を行った。

(1)「災害時における情報通信のあり方」シンポジウム
 7月27日に開催した7年度総会に引き続き、昨年度からの調査研究の成果を協議会会員はもとより、広く県内外の人々とともに共有するため、「災害時における情報通信のあり方」シンポジウムを開催した。
 このシンポジウムには、防災分野の専門家である廣井脩東京大学社会情報研究所教授や井野盛夫静岡県防災局長のほか、震災時に情報ボランティアとして活動した作山喜秋氏、畠中千晴氏、サンテレビ報道デスクの門前喜康氏、コープこうべの永田美穂氏の出席を得た。
 また、協議会からは小西康生(神戸大学)、光森史孝(神戸新聞)、吉岡啓次(住友電工)、幸長敏尚(NTT)、木村義秀(神戸市)、長瀬洋英(兵庫県)ら、学識経験者、情報通信関係企業、ボランティア、行政などさまざまな視点から災害時における情報通信のあり方について熱心な討議を行った。
 このシンポジウムには県内外から600名を超える参加者があり、協議会の活動に大きな注目が集められた。

(2)ケーブルテレビ・インターコネクト
 阪神地域や明石の各ケーブルテレビ局も震災で大きな被害を受けたながら、マスメディアでは伝えきれないきめ細かな生活情報を提供した。地域に密着したメディアとしてのケーブルテレビの重要性があらためて認識されたが、その一方で、ケーブルテレビの整備・運営についての課題が明らかになった。   
 ケーブルテレビはどのような被害を受け、どのような活動を行ったのか。これから何が必要なのか。上記シンポジウムの翌日の7月28日、ケーブルテレビ専門部会の主催により、「ケーブルテレビセッション/震災地のケーブルテレビは~現地からの報告」を開催し、営業、技術、経営の3つのテーマで、県下のケーブルテレビ局と全国から約100名の参加者を交えて熱い討論が展開された。
 このセッションでの議論を踏まえて、光森部会長、畠山副部会長が中心となって、ケーブルテレビ局を相互に接続し、ハード・ソフト両面での広域連携を図る「ケーブルテレビ・インターコネクト」と地域住民にケーブルテレビの利用を開放する「パブリック・アクセス・チャンネル」の2つの試案を発表した(月刊「ニューメディア」平成7年10月号)。
 特に、「ケーブルテレビ・インターコネクト」は、ケーブルテレビの連携をめざして、平成3年度に検討した「瀬戸内サーフネット構想」などこれまでの部会活動の成果を集大成したものであり、県域のケーブルテレビの新たな展開に重要な意義を担うものとなった。

(3)提言の具体化
  「災害時における情報通信のあり方」の調査研究は、マスメディアや多数の論文にも紹介され、大きな反響を呼んだ。協議会では、さらに具体的な施策の導入につないでいくため、9月から引き続き調査研究を進めることとした。
 「安否情報システム」、「行政とマスメディア等との連携」、「避難所等の情報化」については、各部会の共同研究会(座長:小西康生、副座長:井内善臣、光森史孝、高橋宣光(サンテレビジョン)、幸長敏尚、吉岡啓次)の各氏で行った。
 また、「情報団の創設」や「地域の情報発信」についてはケーブルテレビ専門部会、「マルチメディアによる震災情報」について映像メディア専門部会とそれぞれ分担し、多数の会員の自発的な参画により検討作業を進めた。

(4)「情報の空白を埋める」
 最終の調査報告は、「情報の空白を埋める~災害時の情報通信のあり方報告書」として取りまとめた。
 その中で、①住民が平常時から自主的に情報の収集・伝達を行う組織としての「情報団」の創設、②学校や公民館など地域の情報の受発信を行う拠点としての役割を担う「コミュニティ情報拠点」の整備、③行政・メディア・ライフライン企業の連携を図る「共同デスク」の創設、④被災者の安否情報を提供する「安否情報システム」の整備、⑤震災情報の記録・保管・提供のための「震災映像デジタル・アーカイブ」の構築の5つの提言を明らかにした。
 震災から1年あまりの活動は、会員それぞれが互いに経験・ノウハウ・知恵を出し合い、力を結集して検討を進めたものであり、協議会のこれまでの歴史のなかでも特筆すべきものとなった。また、同時に災害時の情報通信のあり方を明らかにしたことは、被災地の情報化推進団体としての責務を果たしただけでなく、各地域の情報化を推進していく上でも極めて重要な貢献を行った。
平成8(1996)年度
提言の一層の具体化を
平成7年3月から1年あまりにわたって進めてきた「災害時における情報通信のあり方」の調査研究の最終報告の内容は、6月24日の総会に引き続き開催した第2弾の「災害時における情報通信のあり方」シンポジウムで発表した。
 このシンポジウムでは、小西康生教授のコーディネートのもと、「情報団」(光森史孝)、「コミュニティ情報拠点」(吉岡啓次)、「共同デスク」(高橋宣光)、「安否情報システム」(幸長敏尚)、「震災映像デジタルアーカイブ」(井内善臣)の各氏より5つの提言が報告された。
 また、広く県内外の関係機関、市民に広く公表するため、最終報告「情報の空白を埋める」を神戸新聞総合出版センターより出版した。

(1)専門部会活動
 災害時の情報通信のあり方についての共同研究会は、8年度末まで開催し、県のフェニックス防災システムや洲本市におけるボランティア情報団の取り組みなど、震災以降の県下の情報化の事例研究を行った。
 また、ケーブルテレビ専門部会ではケーブルテレビ・インターネットやインターコネクト構想について、映像メディア専門部会では映像アーカイブや著作権問題などについて、それぞれ調査研究を行った。

(2)災害時の経験を平常時に
 「災害時の情報通信のあり方」という調査研究を終えて、大きな達成感とともに次の目標を探るまでの「虚脱状態」がしばらく続いたが、平成9年1月24日、尼崎リサーチ・インキュベーションセンターで実施した「災害情報フォーラム」は、災害時から再び平常時の地域情報化に活動の焦点を移行する転換点となった。
 このフォーラムは、震災からの2周年記念事業として、兵庫県、高度情報化推進協議会との共催により開催したものであり、林春男氏(京都大学防災研究所)から「防災システムの広域連携」について、金沢寛太郎氏(広島市立大学)から「地域とメディアー平常時・災害時」について、水野義之氏(ワールドNGOネットワーク代表(大阪大学))から「情報ボランティア」について、それぞれ講演をいただいた後、「ネットワーク時代におけるコミュニティ」をテーマに、赤沢保守氏(洲本市)、河田恵氏(京都大学防災研究所)を交えてパネルディスカッションを行った。
 パネルディスカッションでは、災害時においても情報通信の機能が発揮し得る基盤となる市民の視点からの新しいコミュニティのあり方が議論され、次年度以降の協議会の活動の重要なテーマとして引き継がれていく。

(3)提言をかたちに
 「災害時における情報通信のあり方」で提言したケーブルテレビの相互接続は、兵庫県から郵政省に要望を行った結果、平成8年度補正予算で通信・放送機構の広域的な通信・放送統合網の研究開発事業として12億6千万円が措置され、チャンネルウェーブあまがさき、ケーブルビジョン西宮、こうべケーブルテレビの3局を光ファイバで結び、平成12年度末まで研究開発が行われることとなった。
 震災映像アーカイブについては、通産省の委託事業で(財)阪神・淡路産業復興推進機構が実施した震災地区産業高度化システム開発実証事業の一つに採択され、平成8年8月から10年1月までシステムの開発実証が行われた。
 また、「情報団」については、洲本市や五色町が防災システムの整備とあわせて地域住民から構成される「ボランティア情報団」が設置された。
平成9(1997)年度
コミュニティの情報化・市民との協働
震災3周年を経過し、これまでの復旧から本格的な復興に取り組む時期を迎えた。兵庫県では全県的な情報化の指針として「ひょうご情報社会創生計画」を策定し、インターネットやケーブルテレビの先導的な活用を通じて、豊かな情報社会の創造をめざした取り組みが始まった。
 ケーブルテレビの相互接続やコミュニティの情報化など震災以降の協議会の活動成果はこの計画に積極的に取り入れられた。また、協議会としても、新たな県域の情報化をめざして、行政の情報化や学校の情報化の調査研究や市民活動団体との協働による情報化の普及啓発事業に取り組んだ。

(1)専門部会活動
 地域情報化策専門部会では、行政の情報化と西播磨地域の情報化の2つのテーマの分科会を設置した。行政の情報化分科会(力宗幸男(神戸商科大学))では、行政サービスの向上をめざした情報化の推進方策を検討するため、県内市町を対象とした情報化の実態調査や協議会会員を対象とした行政の情報化への意見・要望についてのアンケート調査を行った。
 また、西播磨地域分科会(山本誠次郎(社会システム研究所))では、マルチメディアスクールの取り組みと並行して、西播磨地域の市町、商工団体とともに、情報化の現状や課題について意見交換を進めた。

(2)全国マルチメディア祭'97inひょうご
 震災から3周年を迎える平成9年11月に郵政省、兵庫県、神戸市、姫路市、明石市、西宮市、洲本市、芦屋市、伊丹市、加古川市、滝野町、(財)電気通信高度化協会とともに実行委員会を組織し、「全国マルチメディア祭'97inひょうご」を開催した。
 兵庫県での開催は平成4年度に引き続き2回目であり、今回は「創造的復興から21世紀の高度情報通信社会へ」をテーマに、神戸市内で開催した地域情報化サミットでは、防災システム、情報ボランティア、産業復興、地域メディアなどさまざまな視点からの問題提起を踏まえ、貝原俊民兵庫県知事、清原慶子ルーテル学院大学教授、月尾嘉男東京大学教授、光森史孝神戸新聞社メディア開発局総務の各氏によるパネル  ディスカッションが行われた。
 また、伊丹市、明石市、姫路市、洲本市、滝野町の各会場では、情報ボランティアやケーブルテレビなど具体的なテーマに基づいた地域情報化フォーラムが展開された。
 これらの記録はCD-ROMとして作成し、県内市町など関係機関に送付したほか、震災以降、県下で組んでいる具体的な情報化の事例をまとめた「震災復興と地域情報化」(ニューメディア社)を発行するなど、広く県内外に情報発信した。


(3)はりまマルチメディアスクール
 播磨科学公園都市のまちびらきイベントの一環として、8月から10月にかけて兵庫県、兵庫県企業庁、兵庫B-ISDN実験協議会、はりまインターネット研究会等の関係団体と共同して「はりまマルチメディアスクール」を実施した。
 この事業は、インターネットや広帯域ISDNなどのネットワークを誰もが身近なものとして体験し、情報通信の理解を深め、地域や生活のなかで有効に生かしていくことをねらいとした情報化イベントである。
イベントでは、親と子、社会人、経営者、教師などさまざまな利用者向けにインターネット・セミナーを開催した。なかでも、西播磨地域の小学校約40校の参加を得て実施した「はりまこども風土記~わんぱくちびっこ情報団」は、こどもたちがデジタルカメラで取材・撮影した地域の魅力ある情報をインターネットで発信し、楽しみながらネットワークの意義を体験してもらうことができた。
 このイベントの企画段階からホームページの作成や英訳など運営・実施面で、はりまインターネット研究会(事務局長:和崎宏氏)を中心に多数の研究会会員や情報ボランティアの協力を得ることができ、西播磨地域の産・官・学・民のヒューマンネットワークづくりやその後のネットデイの実施など学校の情報化の推進に大きな成果を生み、新しい情報化の推進のモデルを提示することができた。
 なお、このイベントの内容はCD-ROMとしても作成し、県下の学校へ配布した。

(4)コミュニティの情報化
 震災3周年記念事業として、兵庫県との共催により、3月27日に「コミュニティと情報化」をテーマに情報通信セミナーを開催した。このセミナーでは、震災以降、市民が社会の一員として地域づくりに積極的に参加しようという非営利活動組織(NPO)の高まりを踏まえて、今後、どのようなコミュニティを実現していくべきか、また、そのための手段として情報通信をどのように活用していくべきかを主眼に、「災害時」から「平常時」の情報通信のあり方について議論を進めようとしたものである。
 セミナーでは、阪神・淡路コミュニティ基金の今田忠代表から「市民活動と新しいコミュニティ」をテーマにNPO(非営利活動組織)の役割について基調講演があり、神戸まちづくり協議会連絡会の中島克元事務局長、氷上郡教育委員会の岸田隆博指導  主事、明石ケーブルテレビの木村義一編集制作部長、デジタルマジック社の日下千代子専務、藤沢市情報統計課の須藤俊明課長補佐の各氏から、情報通信によるコミュニティづくりについて貴重な報告をいただいた。
平成10(1998)年度
学校の情報化から地域の情報化へ
前年度の活動の成果を踏まえて、10年度の活動方針の一つに「NPOとの交流・連携の強化」を取り上げ、新たな情報化の担い手となる市民やNPOの取り組みとの連携 や支援を行ったほか、地域と学校のつながりを深めるための学校の情報化の推進方策について提言を行った。

(1)地域に開かれた学校をめざして
 文部省では、平成13年度までにすべての学校にインターネットの接続を行い、「総合的学習の時間」や教科「情報」の創設など新たな学習指導要領への移行を進めつつある。各地域においても、学校の情報化の機運は高まっているが、一方で教員の情報リテラシーの向上や情報利用環境の整備の遅れなどさまざまな課題を抱えている。
 このため、地域情報化策専門部会のなかに新たに学校の情報化分科会(座長:山本誠次郎(京都産業大学))を設置し、地域に開かれた学校をめざした情報化の推進方策の調査研究を行った。
 学校の情報化は、学校とPTA、住民、企業、大学、行政が連携して取り組む必要があること、さらに、震災の教訓を踏まえて学校が地域に開かれた情報拠点の役割を担うべきであるという問題意識のもと、県下の500の学校及び全市町教育委員会にアンケート調査を実施した。この調査により、現場の課題を明らかにするとともに、学校の情報化について広く理解を得るための普及啓発や教員への研修機会の拡充、情報利用環境の整備、さらに地域が一体となって学校の情報化を支援するネットデイの推進などさまざまな提言を行った。この調査研究報告書は県内のすべての自治体や学校など関係機関に提供した。
 また、3月には兵庫県との共催で「学校をネットワークする~新しい教育の創生と地域に開かれた学校」をテーマに「第3回ひょうご情報社会セミナー」を姫路市で開催した。このセミナーでは、赤堀侃司東京工業大学教授から「これからの情報教育とネットワーク社会」について基調講演をいただいた後、山本分科会座長をコーディネータに、松本正樹氏(福崎町立福崎小学校教諭)、木南芳典氏(姫路市立教育研究所指導主事)、高木洋子氏(テレクラス・インターナショナル・ジャパン代表)、釘田寿一氏(フリーライター・ネットワークサポートセンターinかんさい)の各氏によるパネルディスカッションを行った。セミナーには約150名の参加者があり、会場からの意見も交えて、熱気あふれる意見交換が行われた。

(2)NPOとの交流・連携
 震災以降、神戸、明石、姫路、赤穂、三田、洲本など各地域で市民の立場から地域の情報化を進める市民活動団体が相次いで設立され、インターネットを活用した地域情報の発信やセミナーの開催、学校の情報化を支援するネットデイなどの取り組みが活発に進められている。
 協議会では、これまでの産・官・学に加えて、新しい情報化の担い手である市民活動との連携を通じて、より地域に根ざした情報化を推進するため、情報ボランティアのシンポジウムやチャレジド・ジャパン・フォーラムの開催、氷上郡や神戸・伊丹・赤穂でのネットデイなどNPOの活動に対して協力、協賛するなど積極的な支援を行った。

(3)行政の情報化~ワンストップサービスをめざして
 前年度の情報化の実態調査を踏まえて、10年度の行政の情報化分科会(座長:力宗幸男(神戸商科大学))では、自宅や職場からでもネットワークを介してさまざまな行政手続きが可能となる電子申請やワンストップサービスの実現をめざして、先進的な取り組みを進めている団体での事例調査を踏まえて、本人認証などのセキュリティ、公文書の原本性の確保など今後の行政の情報化の課題を明らかにした。

(4)ケーブルテレビからネットワークへ
 ケーブルテレビ・インターネットの本格的な普及を迎えて、県下のケーブルテレビ局も従来の放送サービスに加えて、通信サービスの事業化の機運が高まりつつある。こうした流れを背景に、これまでケーブルテレビの普及や高度化について調査研究を行ってきたケーブルテレビ専門部会を新たにネットワーク専門部会(部会長:畠山乃生彦(アイテック阪神))に改組し、通信と放送の統合化に対応した調査研究を進めることとした。
また、映像メディア専門部会を廃止し、新たに情報産業専門部会(部会長:井内善臣(神戸商科大学)、副部会長:桂川幸治(阪神・淡路産業復興推進機構))を設置し、ネットワークビジネスやコンテンツビジネスなど情報産業の振興について調査研究を行った。
平成11(1999)年度
産・官・学・民によるさらなる情報化を
11年度は、協議会設立15周年という記念すべき年に当たる。200団体を超える会員を擁するに至った協議会の発足時から長らく代表幹事として活動を支えてきた中野忠幸氏が勇退され、新たに光森史孝氏が代表幹事に就任した。また、10月には牧冬彦氏から第3代会長に大庭浩神戸商工会議所会頭が選任された。
 こうした新たな体制のもと、地域情報化策専門部会では、今後の情報化の重要な課題である行政の情報化分科会を引き続き設置したほか、前年度の学校の情報化の分科会の活動を一層本格化をするため、新たに学校情報化専門部会(部会長:山本誠次郎(京都産業大学)、副部会長:上谷良一(兵庫県立教育研修所))を設置した。また、ネットワーク専門部会においても、引き続き、県域のネットワークの高度化をめざして調査研究に取り組んでいる。
 15周年を契機に、新たな情報化の担い手となる民も加えた産・官・学・民による県域の情報化の一層の推進をめざした取り組みが求められている。
平成12(2000)年度
市民活動・行政でのITの活用
新年へのカウントダウンとともに固唾をのみながらコンピュータ2000年問題への対応で始まった1年であり、わが国の情報化の新たな展開に向けたスタ-トの年ともなった。11月にいわゆるIT基本法が成立し、ITというキーワードが初めて登場し、13年1月には、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目標とする「e-Japan戦略」が策定された。兵庫県でも翌2月に、「ひょうごIT戦略」を策定、兵庫情報ハイウェイなどのプロジェクトが推進されることとなった。
 総会記念講演会では、ソニー株式会社関西代表・常勤顧問の金田嘉行氏から、「ITの進展と創造的な競争社会」をテーマに、これからの情報技術と地域社会のあり方について講演していただいた。また、ITの普及の進展や各地域での市民による情報化推進団体の設立の動きを踏まえ、市民活動へのITの活用や自治体の情報化、新たな展開に向けたケーブルテレビなどをテーマにセミナーを開催した。
専門部会活動については新たな技術動向をより深く研究しようという会員と幅広い知識を身につけたいとする会員とに2極化してきたことから、従来の専門部会は一時休止し、会員自らがグループを組んで行う自主研究グループ活動を支援することとした。

(1)市民活動のための情報ネットづくりフォーラム
 インターネットを活用した地域情報の発信やネットデイなど、さまざまな活動を展開している市民の自発的参加による情報化推進団体が集まり、それぞれの活動の輪を広げるため、各団体の活動報告と意見交換を行った。

(2)ひょうごケーブルテレビ10周年記念シンポジウム
 平成2年に滝野町、芦屋市で開局して以来10年の歴史を重ねてきたケーブルテレビの今後の発展方向を展望するため、10周年記念シンポジウムを開催した。

(3)自治体のIT活用戦略セミナー
 電子政府の動向や自治体における先進的な電子行政の事例を通じて、新しい行政システムとしての電子行政について理解を深めるため、「自治体のIT活用戦略」をテーマにセミナーを開催した。
平成13(2001)年度
真のIT革命をめざして
13年度は、政府の「e-Japan戦略」、兵庫県の「ひょうごIT戦略」がスタートした年である。IT革命が産業革命にも匹敵するような社会的な広がりを持つためには、企業や自治体が地域の活性化について明確なビジョンをたて、そのための手段としてITの活用を進めていかなければならない。こうした問題意識にたち、当協議会をはじめ、県内の情報化関連の6団体が共同して、知事、神戸市長などの参加を得て、「真のIT革命への提言 兵庫大集会」を開催した。
 総会では、IT革命が地域のあり方にどのようなインパクトを与えていくのかについて理解を深めるため、「ITを活用した地域の活性化」をテーマに、多摩大学・大学院教授の井上伸雄氏による総会記念講演会を開催した。

(1)緊急!真のIT革命への提言!!兵庫大集会
 本協議会をはじめ、神戸マルチメディア・インターネット協議会、阪神・淡路マルチメディア産業交流会などの6団体で実行委員会を組織し、県内の有志が一同に集まり、今後のIT革命の進むべき道について、自治体、企業、NPOが担うべき役割を提言するため、「緊急!真のIT革命への提言!!兵庫大集会」を開催した。

(2)インターネットセミナー2001 inひょうごの開催
 県民や企業、行政がインターネットの現状や今後の展望について理解を深め、インターネットの先進的な活用方策について学ぶため、「ブロードバンドが創る社会」をテーマに講演と情報関連機器の展示を行った。

(3)特別研究グループ活動の実施
 国の「e-Japan戦略」や県の「ひょうごIT戦略」の策定を背景に、「県民生活の情報化」、地域産業の情報化」の具体的な方策を県や関係機関に提言するため、「特別研究グループ」を設置した。
平成14(2002)年度
ブロードバンドの普及と地域づくり
14年度は、県域のネットワークインフラの整備が大きく進んだ。4月に兵庫情報ハイウェイの運用が始まり、電子県庁の推進基盤となる県庁WANや県立学校を結ぶ教育情報ネットワークが構築された。また、インターネット・プロバイダにも回線を無償開放し、郡部への高速インターネットサービスの普及や、ラストワンマイルの整備を支援するブロードバンド100%整備プログラムが創設された。5月には県と市町による電子自治体推進協議会が設立され、電子申請など共同運営システムの構築に向けた取り組みがスタートした。
こうしたITの急速な普及を踏まえて、総会では、ハイパーメディア・クリエーターの高城剛氏から、「ケータイ文明の曙」をテーマに講演いただいた。
なお、発足当初から副会長として協議会を支えて来られた米花稔神戸大学名誉教授が副会長を退かれることとなり、総会の場でこれまでのご尽力に対して感謝状を贈呈した。また、地域の情報化を積極的に推進する龍野市、篠山市に地域情報化功労表彰を贈った。

(1)政策提言研究グループ活動の実施
 13年度の特別研究グループ活動を発展させ、企業、団体、行政等へのICT政策提言を目指し、会員自らが調査研究を実施する「政策提言研究グループ活動」を実施した。

(2)情報セキュリティ・電子認証の普及啓発
 インターネットの普及によって、オンラインショッピングや電子商取引などの利用が広がる中、情報システムの「安全性と信頼性」の確保は、ますます重要な問題となってきた。このため、電子商取引推進協議会(ECOM)と連携して、「セキュリティマネジメント実践セミナー」や「電子認証の法・技術」、「認証とその応用」をテーマにしたセミナーを開催した。
平成15(2003)年度
情報基盤の整備から活用へ
政府は、「e-Japan戦略」が目標としていたブロードバンド利用環境の整備が目標を達成したことから、「e-Japan戦略Ⅱ」を策定し、ITの利活用を重視した戦略を推進することとした。
総会では、兵庫情報ハイウェイを活用した広域的な情報通信ネットワークを構築した阪神広域行政圏協議会、県下11のケーブルテレビ局が連携して、共同営業、番組づくりを行う兵庫ケーブルテレビアドネットワーク部会に地域情報化功労表彰を贈った。

(1)情報通信の多様な展開
 ブロードバンド、ユビキタスなど、高度で多様なサービスを展開しつつある情報通信の最新動向についての理解を深めるため、地上波デジタル、サイバーリテラシー、無線ICタグ、情報セキュリティなど多彩なテーマでの情報通信セミナーを開催した。

(2)政策提言グループ活動の実施
 企業、団体、行政等へのICTの活用について政策提言を目指し、会員自らが調査研究を行う政策提言グループ活動を実施した。14年10月に着手した3つの分科会での提言研究を、15年9月26日に各分科会から最終提言の報告を行った。

(3)「ひょうごICT塾」の開講
 豊かさが実感できる暮らしの実現や地域経済の活性化、行政サービスの向上など、地域、企業、行政の各分野でのICTのさらなる活用が求められている。このため、会員を対象にサービスの向上や業務の効率化などICTを活用するための企画力、発想力向上の習得をめざした「ひょうごICT塾」を開講した。
平成16(2004)年度
安全・安心な情報社会へ/震災10年・設立20周年
16年度は、震災から10年、協議会設立から20周年という記念すべき年にあたる。このため、「安全・安心」をテーマに、震災後から今日までの情報化の取り組みを検証するとともに、情報の安全の視点から情報セキュリティも含めた「危機管理の情報通信のあり方」に関する調査研究を実施した。
総会については、インターネットを活用した表決を行う電子総会を試行的に実施した。大庭会長の死去に伴い、新たに太田敏郎神戸商工会議所会頭代行、その後水越浩士同会頭を会長に、副会長には小西康生神戸大学教授を選任した。また、設立当初から協議会の活動に参加され、平成11年度からは代表幹事として協議会の運営に尽力された光森史孝氏が勇退され、新たに山本誠次郎氏が代表幹事に就任された。
なお、協議会活動の活性化を図るため、組織活性化委員会を設置し、活動のあり方についての見直しの検討を進めた。

(1)危機管理における情報通信のあり方に関する調査研究
 阪神・淡路大震災直後に取り組んだ「災害時の情報通信のあり方に関する調査研究」の成果を検証するとともに、ブロードバンドの急速な普及に伴って社会的な課題となっている情報セキュリティ対策など、「安全・安心な情報社会」の実現をめざした情報化のあり方を明らかにするため、「危機管理の情報通信のあり方に関する調査研究」を実施した。

(2)地上デジタル放送の開始
 16年12月からの県域放送局における地上デジタル放送の開始を控えて、11月に「ひょうごデジタル新時代」シンポジウムの開催と開局記念イベントを実施した。

(3)情報通信セミナーの開催
 「全国情報セキュリティ啓発キャラバン」(主催:経済産業省等)を誘致し、インターネットを安全快適に活用するための情報セキュリティの基礎知識などを身につける「インターネット安全教室」を開催し、県民150名の参加を得た。

(4)ひょうご情報コミュニティ・キックオフミーティングの開催
 阪神淡路大震災を契機に生まれたNPOやボランティア活動の機運の高まりに対応し、県民一人ひとりがITのメリットを享受できる情報コミュニティの実現をめざして、NPO等が取り組んでいる先進的な実践例をもとに、県民、地域メディア、行政などさまざまな視点から、コミュニティの情報化について意見交換を行うシンポジウムを開催した。
平成17(2005)年度
協議会のさらなる発展/総務大臣表彰の受賞
設立20周年を迎えた協議会は、ユビキタス時代を迎えた新たな情報化のステージの創造に向けて、9月に特別セミナーを開催した。特別セミナーでは、協議会設立当初から県域の情報化の推進や各地域との交流などに精力的に取り組まれ、協議会の発展に尽力された光森史孝氏と畠山乃生彦氏に感謝状を贈呈した。
また、10月には、昭和59年協議会設立以来、長年にわたって情報通信に係る調査研究や普及啓発活動に取り組み、兵庫県の情報化の推進に貢献したとして、平成17年度情報化月間総務大臣表彰を受賞した。
 総会では、今後の地域情報化の推進に当たり、県民がITのメリットを実感できる社会を実現するには何が必要であるかを展望するため、兵庫県立大学大学院助教授の中野雅至氏による総会記念講演会を開催した。

(1)特別セミナーの開催
 ユビキタス時代を迎えた新たな情報化のステージの創造に向け、「つながる・拡がる・始まるユビキタスネットワーク」をテーマに、東京大学大学院教授の坂村健氏による基調講演やパネルディスカッションを行った。

(2)情報化月間総務大臣表彰の受賞
 協議会設立時より調査研究や普及・啓発活動等を通じて、地域におけるケーブルテレビやインターネットなどの基盤整備、防災をはじめとする情報システムの整備などの提案に、産・学・官・民連携して取り組み、兵庫県が全国有数の情報化先進県となることに大きく貢献したとして、10月に平成17年度情報化月間の情報化促進貢献企業等の部において総務大臣表彰を受賞した。

(3)産学連携研究グループ活動の実施
 会員と県内大学・専門学校等の学生・教員が連携して、情報化に関する実践的な調査研究を企画提案し、研究活動を実施した。

(4)コミュニティ情報交流システムの提供
 地域の住民が主体的に地域づくりに取り組んでいるNPO等の地域づくり活動団体を対象に、団体内部の情報の共有化や団体相互の情報交流を促進するコミュニティ情報交流システム(コミュニケーションツール)を提供した。
平成18(2006)年度
インターネットの新たな動き
情報通信技術の進展は目覚しく、Web2.0と呼ばれるインターネットの新たな動きや放送と通信の連携・融合が進むなか、家庭や企業、行政の各分野で多彩な情報の発信や交流が行われ、社会経済の仕組みも大きく変わりつつあった。兵庫県では、平成19年3月に「ひょうご情報交流戦略」を策定し、情報通信の最新の成果を県民が実感できる社会の実現を目指すこととなった。
協議会においても、情報交流ワークショップ(サロン)の設置や4年ぶりに事例視察調査を実施するなど、産・官・学・民の連携によりさまざまな会員の力を結集し、企業や行政の情報化の普及啓発、調査研究、人材育成を積極的に推進するとともに、県や市町、関係団体とも協力しながら、県民をはじめ、自治会、NPO等の地域づくり活動団体の情報通信技術の活用を支援した。
 総会については、ユビキタス社会の進展のなかでWeb2.0や放送と通信の融合など新たな価値の創造に向けた社会を展望するため、「どうなる放送・通信融合のゆくえ」をテーマに、板倉雄一郎氏による総会記念講演会を開催した。

(1)事例視察調査の実施
 情報化に積極的に取り組んでいる団体・企業等を訪問し、さまざまな情報化プロジェクトや情報通信を活用した地域活性化の取り組みについて視察調査を実施した。

(2)情報交流ワークショップ(サロン)の設置
 会員間の交流、若手および女性の参加促進を目的に、提案されたテーマについて、月1回程度、自由に情報交換できる場を提供した。

(3)地域情報化コーディネート活動の実施
 インターネットやブロードバンドの普及のなか、市町・団体等の地域で情報化を推進しようとしている取り組みを促進するため、地域ニーズにマッチした課題解決方法などについて、協議会会員によるプレゼンテーションや、指導・助言等のコーディネート活動を行った。
平成19(2007)年度
地域情報化の新展開
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのインターネットの新たなツールの普及により、専門的な情報通信技術の知識がなくても容易に情報発信や情報交流が可能となった。このような動きをふまえ、協議会では、利用者の視点に立った情報やサービスの充実を図るとともに、地域の様々な知恵をネットワークで結び付け高めあうことにより、新たな魅力ある地域社会の実現を目指すため、SNSの活用支援や地域づくり活動団体間の情報交流の場の提供など、地域の情報化の推進・支援を積極的に行った。
 総会では、過去半世紀以上にわたって基幹メディアとして君臨してきたテレビやその他メディアが、インターネットの普及と急速なブロードバンド化でどう変わっていくのかをテーマに、読売テレビ放送アナウンサーの脇浜紀子氏による総会記念講演会を開催した。

(1)SNSの活用支援
 SNSの地域での活用を促進するため、県と連携しながら、事例発表等の普及啓発セミナーの開催、システム運営のための研修会を実施した。

(2)地域情報化サポーター情報交流会の開催
 SNSや動画発信などインターネット等をうまく活用している団体等の事例報告や地域づくり活動団体間の情報交換などの交流を進めるため、情報交流会を県下3地域で県とともに開催した。

(3)インターネットの新潮流
 ブログやSNSなどのWeb2.0というインターネットや情報の新技術が、今後、地域社会やビジネスにどのような影響を与え、どのような展開を見せていくのかについて、その行方を探る情報通信セミナーを開催した。
平成20(2008)年度
ユビキタスネット社会の実現に向けて
低価格パソコンが流通し、高速モバイル通信と組み合わせて外出先でもインターネットに不自由なくアクセスできる環境が飛躍的に向上した。そういった社会環境の成熟を鑑み、協議会では、利用者の視点に立った情報やサービスの充実を図るとともに、地域の様々な知恵をネットワークで結び付け高めあうことにより、新たな魅力ある地域社会の実現を目指すため、地域SNSの普及・啓発などの地域情報の発信力の向上に引き続き取り組んだ。また、協議会の情報発信力の強化のために当ホームページのリニューアルを行った。
総会では、「モバイルコミュニティの時代」をテーマに、モバイルコンピューティングのこれまでの急速な進展を振り返りながら、今後の展開について展望するために、神戸大学大学院工学研究科教授 塚本昌彦氏に総会記念講演会を開催した。

(1)地域の情報発信力向上
 地域の観光や物産に関して、より効果的で魅力ある情報発信のための基礎的なスキルやノウハウの向上をめざした「地域活性化のための情報発信セミナー」を関係団体とともに開催した。

(2)地域情報化サポータースキルアップ研修
 情報通信の先進的な活用に取り組む地域情報化サポーターの活動を支援するため、情報ボランティアの指導方法やサポート技術習得・向上をめざした研修「シニア向けの情報発信の研修」、「シニア向けインターネット、SNS研修」、「保護者向け携帯の安心・安全研修」を関係団体とともに開催した。

(3)産学連携研究グループ活動の実施
 「地元ラジオ局の中波電波による津波等災害時緊急通報システムの実用化」について、会員や県内大学と連携しながら、実践的な共同研究や実証実験を実施した。
平成21(2009)年度
ICTを活用した魅力ある地域づくりに向けて/震災15年・設立25周年
 21年度は、震災から15年、協議会設立から25周年という記念すべき年にあたる。
 このため、これまで培ってきた産・官・学・民のネットワークの力を発揮して、一層の発展をめざした活動を展開するため、設立25周年記念事業を実施した。
 また、ネットワークの進展、情報発信の増加、通信・放送の融合・連携など、コミュニケーションの変革に対応するため、ユビキタスネット社会の実現に向けて、企業や行政の情報化の普及啓発、調査研究、人材育成を積極的に推進するとともに、県民をはじめ、地域の団体、NPO等の地域づくり活動団体のICTの活用の一層の支援を行った。

(1)25周年記念事業の実施
 「遠距離交際と近所づきあい」をテーマした講演会(講師:一橋大学 西口教授)及び「地域の元気!情報発信」をテーマとしたトークセッション(スピーカ: ㈱きよたにや 井上氏 他)を開催した。
 また、協議会活動を振り返りながら、今後の情報社会と協議会の新たな活動の方向性を展望するため、記念誌を発行した。

(2)普及啓発活動
 ICTを活用したこれからの豊かなコミュニケーションのあり方を展望するため「ケータイコミュニティの未来」をテーマとした特別講演会講演会(講師:中央大学 松田教授)を開催するとともに、会員や県民を対象に、情報通信の最新動向について理解を深めるため、「市民と企業の協働による地域情報化の新展開」、「クラウドコンピューティング、オープンソースの活用」をテーマとした情報通信セミナーを開催した。

(3)地域の情報化の推進・支援
 県内各地域で情報化を推進しようとしている団体やNPO等の取り組みを促進することを目的として、兵庫県行政書士会やNPO等の3団体と共催でセミナーを開催した。

(4)調査研究活動
 「自治体情報システムのオープンソース活用研究」、「地域情報発信力向上策の研究」、「立体視覚情報と効率的な情報伝播の仕組みの研究」、「動画できる産業観光、学びの観光情報」をテーマとして会員が主体的な調査研究を行った。
 また、情報化に積極的に取り組んでいる団体・企業を訪問し、さまざまな情報化プロジェクトや情報通信を活用した地域活性化の取り組みについて中部、信州方面への視察調査を実施した。
平成22(2010)年度
地域におけるソーシャルメディアの可能性
 インターネットをはじめとするICT(情報通信技術)は、急速な発展を遂げるとともに、日常生活や仕事の中に浸透してきており、今後は単に利便性の向上にとどまらず、利用者の視点に立った情報やサービスの充実を図るとともに、地域の様々な知恵をネットワークで結び付け高めあうことにより、新たな魅力ある地域社会の実現が望まれている。
 本協議会としても、ネットワークの進展、情報発信の増加、通信・放送の融合・連携など、コミュニケーションの変革に対応するため、ユビキタスネット社会の実現に向けて、産・官・学・民の連携によりさまざまな会員の力を結集し、地域や企業、行政の情報化の普及啓発、調査研究、人材育成を積極的に推進するとともに、県や市町、関係団体とも協力しながら、県民をはじめ、地域の団体、NPO等の地域づくり活動団体のICTの活用を支援を行った。

(1)普及啓発活動
 地域におけるソーシャルメディア活用と将来性を展望するため、記念講演会を開催するとともに、情報通信の最新動向について理解を深めるために、「地域を楽しくするネットワークの活用術」「ソーシャルメディアの可能性を探る」「新たな情報発信ツールの活用」をテーマにセミナーを開催した。

(2)調査研究活動
 「オープンソースソフトウェア運用時の問題解決方法」「若年層の携帯電話利用とデジタルデバイトの関係」「立体視覚情報を活用した道コンテンツ配信プラットフォームと道の駅活性化研究」「次世代型スマートフォンの県民生活向上への活用検討」をテーマとして、会員が自主的、主体的にテーマを企画提案し、調査研究を行った。
 また、情報化プロジェクトや情報通信を活用した地域活性化の取組について調査を行うため、山陰地方への事例視察調査を実施した。

(3)地域の情報化の推進・支援
 県内各地域で情報化を推進しようとしている団体やNPO等の取り組みを促進することを目的として、淡路市やNPO等4団体と共催でセミナーを開催した。


(注)会員氏名は敬称略。所属は当時の所属